請求書の形式には法律上の決まりがないため、手書きやエクセルはもちろん、どのようなソフトやアプリを使用して請求書の作成を行なっても問題ありません。
しかしお金のやり取りや金額を記載する書類のため、慎重に扱われることが多いですが、取引や納税証明の際には、法的な要件を満たす必要があります。
この記事では、請求書の書き方と請求書を正しく扱う方法を紹介しています。
そもそも請求書とは
請求書は、金額・請求先の会社名・振込先などの必要事項を記載し、契約時に交わして置いた期日までに支払いを求めるための書類で、商品やサービスを納品した後に発行する証憑(しょうひょう)書類です。
役割としては、支払いの義務を促すため、取引先へ指定期日までの支払いをお願いする文書と認識しておけば良いでしょう。
取引内容や取引自体の証明になる書類のことで、一定期間(最長10年)の保存義務があります。
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請求書の書き方
請求書の作成は義務付けられてはいませんが、一般的に取引内容を証明するものとして交付されます。
一般的な請求書の記入事項には発行者の氏名または名称、取引年月日、取引内容、取引金額、書類の交付を受けるものの氏名または名称を記載する必要があります。
- 発行者の氏名または名称
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引金額
- 書類の交付を受けるものの氏名または名称
参照元:国税庁「No,6625 請求書等の記載事項や発行のしかた」
また、請求書の管理が行いやすくなることから、請求書に番号を付けて作成することもあります。
請求書につける番号には特に決まりが無いため、自分達が管理しやすい番号を付けることができます。
現在、仕入税控除を受けるためには区分記載請求書保存方式に対応した請求書を作成する必要があります。
消費税額を計算する際に、売上から仕入れにかかる消費税額、もしくはその一定割合を差し引いて計算する控除制度です。
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区分記載請求書保存方式(2023年9月まで)
区分記載請求書保存方式は、請求書の記載事項に取引内容や取引金額に加え、「軽減税率の対象品目である旨」と「税率ごとに合計した対価の額」の2つの項目を追加した合計8項目を記載する必要があります。
- 発行者の氏名または名称
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引金額
- 交付を受ける者の氏名または名称
- 軽減税率の対象品目である旨
- 軽減税率の対象品目である旨
- 税率ごとの合計した対価の額(税込)
請求書の内訳の書き方
請求書の内訳とは、請求総額や物品の総量などに対して、全体の内容を項目別に分けたものです。請求書の内訳と似たものに明細書がありますが、明細書とは金額の内訳を記載したものです。
請求書を発行する同じタイミングで請求書の内訳も発行し、一緒に送付することで取引先請求金額を確認しやすくなります。
請求書の振込先の書き方
請求書で振込先の記載事項には、金融機関名・支店名、口座番号、口座の種類、口座名義を記載する必要があります。
- 金融機関・支店名
- 口座番号
- 口座の種類
- 口座名義
金融機関・支店名
金融機関名と支店名を記載する際は、明記する際は金融機関コードと支店コードも併せて記載するようにしましょう。
口座番号・口座種類
口座番号は基本的に7桁にですが、ゆうちょ銀行の場合は5桁の記号と8桁の番号になっています。
取引相手がきちんと振り込みができるように自分の口座番号の桁数を確認し、間違いがないかチェックしましょう。
普通口座か事業決済用の当座預金口座のどちらであるか記載しましょう。
口座名義
一般的に口座名義はカタカナで記載します。窓口での支払いでは少しでも記載内容に間違いがあれば支払いを行うことができません。
請求書は月末などにまとめて処理されることが多く、どの事業主も忙しくなるため、円滑な取引のためにとくに気をつけて記載する必要があります。
請求書に値引きがあるときの書き方
- 大量購入
- 製品やサービスなどの販売した商品を
- 相殺
といった理由から、商品やサービスの代金を値引きし請求書を発行する場面もあります。
消費税の計算を行う際、問題が生じるため、経理では正しく値引き処理を行う必要があります。
請求書:値引き後の項目の書き方
請求書に値引き項目を記載する場合は、「値引き前の製品やサービスの『数量×単価』の金額」と「どのような理由で何に対しての割引が発生しているのか」を書く必要があります。
- 値引き前の製品やサービスの「数量×単価」の金額
- どのような理由で何に対しての割引が発生しているのか
クレームや大量発行を例にしながら値引き項目の書き方を画像と一緒に説明します。
値引き項目を表記するには、値引き前の製品やサービスの「数量×単価」の金額を記載し、その下に「値引き」や「相殺」として金額欄にマイナスの金額を示します。
請求書:値引き後金額の書き方
マイナス金額の表記には、金額がマイナスであることを示すことと後から改ざん・訂正ができないようにするため目的があります。
マイナスの意味で「▲」や「-」がよく使用されますが、法律上で定められたものではなく、慣例状一般的な表記方法なので、自社内や取引相手と決まりがない場合はこの「▲」や「-」といった表記で記載しましょう。
請求書:値引き後消費税の計算
消費税を計算した後で値引きを行う際には、売上時に税抜価格を算出する必要が生じ、さらには端数処理を行わなければならないなどの問題が発生します。
これを回避するには、請求金額の内訳をあらかじめ値引き金額に合わせて計算しておくことをオススメします。
最終的には消費税を計算した税込価格を請求書に併せて表記するのが一般的ですが、経理上のミスやトラブルを避けるために社内で認識を統一しておきましょう。
請求書の電子帳簿保存法対応
電子帳簿保存法自体は決して新しい法律ではありません。
正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と言い、1998年7月に施行された法律です。
主に税金に関する法律で定められた「帳簿書類」の電子計算機(パソコンやネット上)での取り扱いを定めています。
改正電子帳簿保存法
2024年1月から、改正電子帳簿保存法により「電子データで送受信された帳簿または書類を紙媒体として保存することが不可能」になります。
そのため、電子帳簿保存法に対応したクラウドサービス等を利用した、正しいデータの保管が事実上必須になると言っても良いでしょう。
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個人で発行する請求書の書き方
自分の仕事を友人や同業者に手伝ってもらったりすることもあるのではないでしょうか?
個人間で取引を行う際は、毎月の給与から税金を差し引いて納税する源泉徴収やフリーランスや個人に業務を発注し報酬を支払った際に作成する支払い調書などの契約関係書類を取り交わす必要があるのはどのような場合なのか気になりますよね。
ここからは、個人間で取引を行う際に源泉徴収が必要になってくる場合の取引、源泉徴収が必要にない取引を解説していきます。
個人から個人への請求書の書き方
個人間であっても、取引にはお金が絡むためトラブルを避けるためにもあらかじめきちんと契約をしておくことが重要になります。
友人や知人にお願いする仕事の場合は、メールや口頭だけで条件の確認を済ませてしがちですが、後々のトラブルを避けるためにも、企業との取引と同様に一連の書類を取り交わしておくことが重要です。
- 見積書: 宛名、件名、摘要などの基本事項のほか、見積金額、納期、納品場所など
- 納品書: 上記に加え、実際の納品日・納品場所・納品物(数量含む)など
- 請求書: 上記に加え、振込先・支払期限・振込手数料の負担の有無など
手書きの請求書の書き方
請求書は手書きで作成しても法律上問題ありません。
文房具店や100円ショップなど身近な場所で手書き請求書を作成する用紙が販売されているので、今すぐ請求書を作る必要がある場合でも対応することができます。
作成した請求書の内容に不備がないように、以下の記入事項を忘れず記載する必要があります。
- 請求書を発行する側の会社名(個人事業主の場合は個人名)
- 請求先の会社名もしくは個人名
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに分けて記載した金額
一般的な請求書は、上記の5つの項目以外にも支払期限も記載します。
インボイス制度対応の請求書の書き方
令和5年10月1日からインボイス制度が導入されることに伴い、仕入税控除を受けるためにはインボイス制度に対応した請求書を作成する必要があります。
適格請求書(インボイス)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるもので
現行の「区分記載請求書」に「登録番号」や「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータを示します。
インボイス制度に対応した請求書は、従来の請求書の記載事項に加え、税率ごとに区分して合計した税込対価の額を記載する必要があります。
参照:国税庁「適格請求書等保存方式の概要」
エクセルを使用した請求書の書き方
請求書はエクセルで作成することもできます。しかし、請求書を作成する際にセルを揃えたり、見やすくなるようなレイアウトを意識してフォーマットを作ると時間や労力がかかってしまいます。
SpreadOfficeでは、すぐに使うことができるExcelの請求書テンプレートを提供しています。
テンプレートに入力するだけで、請求書を作成することができるため、これまで請求書のフォーマット作成時にかかっていた時間・労力を削減することが期待できます。
SpreadOffice(スプレッドオフィス)
- ダウンロード&インストール不要で即日使用可能
- 見積書、注文書、注文請書、請求書、売上伝票、納品書、検収書など業務帳票の発行・管理
- 電子印鑑・インボイス制度・役職(ユーザー)ごとの権限管理に対応
- メール&電話の充実したサポート体制
帳票管理に加えて、PDF送信、 データのCSVインポート、Excel・CSVエクスポート機能、 案件原価管理、権限管理、ファイル管理、支店管理など、個人利用はもちろん、大規模事業者様でもご利用いただけます。
料金プラン
990円/月(税込)
5名以下でのご利用
個人事業主様におすすめ
1,320円/月(税込)
6名以上でのご利用
法人様におすすめ
1,980円/月(税込)
大人数でのご利用
独自帳票を使いたい方
※プラン内でのユーザー追加削除は管理者ユーザーにて自由に行うことが出来ます。
※無料期間終了後に自動で課金されることはございません。
まとめ
ここまで、請求書の書き方について中心的に解説してきました。
本記事の内容を以下にまとめます。
- 一般的な請求書には、発行者の氏名または名称、取引年月日、取引内容、取引金額、書類の交付を受けるものの氏名または名称を記載する
- 手書きの請求書でも問題ないが、作成時に時間や労力がかかるだけでなく管理も大変なためwebやエクセルを使用した請求書の作成がオススメ
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。